妄想代理人を見た

凄いなこのアニメ。
今敏さんのアニメすげぇ。平沢進さんの音楽すげぇ。
まずオープニングから圧倒される。あの呪文のような平沢進さんの音楽と、すべてから解放されたような無秩序な笑顔の連続は何度見ても凄いと思う。あんな映像を夜中に流されていきなり見たとしたら本気で凹みそうな気がする。でも、毎回同じオープニングなのに必ず見てしまうような魅力もあったりする。
内容としても黒いモノが大好きな人間からするとたまらないものがある。未だかつて自分の娘の部屋を盗撮する父親と盗撮された娘の心理「直撃の不安」を描画するアニメなどあっただろうか。ホモと老人と子供が自殺場所を求めて明るく闊歩する「明るい家族計画」なんて、寝る前に見たおかげで練炭と首つりと飛び込みと夢の中で見事に3回自殺してしまいましたよ。元々がオムニバスの固まりのなのに、さらに1話の中に複数のオムニバスをつっこんでもはやギャグとしてしか見ることのできない「ETC」や、投げっぱなしと言うよりもロケットで発射したというようなイメージが強い「最終回。」と、最終回の後に何故かある次回予告。13話という短い作品なので全体的に疾走感があり、見ようとすれば1日ですべてを見ることが出来るため、非常にその世界に飲めり混むことができる。
若干残念だったのが、数話作画が乱れていること。DVDで出すのなら修正して欲しかったのだけど…。特に第5話の「聖戦士」や11話の「進入禁止」、12話の「レーダーマン」は話が非常に面白い回だっただけに残念。*1それ以外の話はすばらしい作画で、まるで東京ゴッドファーザーズ千年女優のような劇場版アニメとも比較できるくらいの作品だったと思う。
いやーなんつーか……もう一回見よう。

*1:聖戦士と進入禁止・レーダーマンは背景にある考え?ストーリーのバックボーンが似ている為、世界観を統一させるためにわざと崩しているのかと思ったくらい