消える代休

〜プロローグ〜

今日は土曜日の代休のハズでした。
お休みのハズでした。

〜回想シーン(日曜日)開始〜

日曜日に新規システムの導入を行いました。新品の端末が7台ほど入り、ほぼすべての処理をサーバ側で行うシステムのくせに「メモリを1.5GB」とか使っている贅沢なシステムです。1GBのDIMMモジュールをパクってもばれないような気がしたのですが、たかだか数万円で現在の職を失うのは得策ではないと考え、あきらめて素直に端末を設置しました。さようなら7GB。

端末設置は順調に進み、電源を入れる所まで進みました。
7台中6台は正常に起動し、動作確認に入りました。
残りの1台は今にも飛び立ちそうな音を立てていました。

一瞬の静寂に「プツン」という音。
7台目の端末の電源が落ちました。
電源ランプが赤く点滅しております。

……熱暴走。

とりあえず、現状を確認するためにケースを開けてみます。最近のBTO系マシンはネジを全く使わずにほぼすべてのパーツがはずす事ができて素敵です。今回の端末も簡単にはずす事ができました。すばらしいです。すばらしくないのは、CPUヒートシンクの固定バネが憑いていなかった事です。

ありえな〜〜い!←できる限り頭の悪そうな甲高い声で読んでください

そもそも、ヒートシンクが固定されていないってなんなんですか。メーカさん。黙視の確認とか、ストレステストとか行わなかったんですか。こんなこと、普通じゃあり得ませんよ…。○○さん!

〜回想シーン(日曜日)終了〜

とりあえず、他の6台の端末は無事動くという事で対応は月曜日になりました。メーカよりパーツを送付してもらい、現地へは下請けのエンジニアが入るという外資系お得意(最近は日本のメーカも)の方法です。エンジニアの会社が毎回違うのが特徴です。まぁ、パーツ的には「バネ」だけだし、復旧は直ぐだろうと考えていました。

〜回想シーン(月曜日)開始〜

赤帽が雨の中パーツを持ってきました。
同じ頃、エンジニアが到着しました。

パーツを持ち、エンジニアと一緒にシステム室へ向かいます。明日が休みだと考えるだけで、どんなつらい事も耐えられます。端末の修理が終わったら、動作確認を行いお茶でも飲んでプログラミングの続きをやろう。そう考えていました。

現地へ到着し。
CPUが入っている箱を開けます。
中にはCPUが入っています。CPUだけが入っています。

「あれ?」

マザーボードのケースも、VGAのケースにも「バネ」らしきモノは入っていません。
エンジニアがあわててメーカへ電話します。

どうやら。
僕の火曜日は。
出勤になりそうです…。

〜回想シーン(月曜日)終了〜

CPUの留め金は故障するようなモノでもなく、なくなることも無いために、保守品として登録されていないのが今回のミスのようです。まぁ、エンジニアさんは悪くないし、悪いのは姿の見えないメーカなので諦めて火曜日対応にしてもらいました。まぁ、とりあえず、なんとかなるだろうと。

〜回想シーン(火曜日)開始〜

朝の9時半にパーツが届きます。
エンジニアさんもきます。

幸先がよいな、なんとか午前中に終わらせたいな。と私は思いました。

パーツが入った大きな箱をエンジニアが開けてみました。
中にある箱は5個。4つ目の箱を開けた時点で、エンジニアの額に変化がありました。

「また、入ってません…」

新しく増えたパーツは、「よくわからないトグルスイッチ」と「よくわからないプラスチック」の二点のみ。CPUとVGAカードも入っていたので、これでCPUは3つに増えました。プレゼントでしょうか?それとも、メーカの嫌がらせでしょうか。

3回やれば、ネタになる。

そんな詞が、私の頭の中をよぎりました。

〜回想シーン(火曜日)終了〜

〜エピローグ〜

結局16時に、二つのバネが届きました。
重さ50gもない、二つのバネが届きました。

パーツを取り付け、起動させます。
当たり前のように動きます。

よかったよかった。
パソコンが動くって、本当にすばらしいですねっ。



…もう○○の製品は買いません。