アキハバラ@DEEPを購入しました

アキハバラ@DEEP

アキハバラ@DEEP

石田衣良さんの新作。
下記に一部引用させていてだきます。プロローグの一部、

この待ちの帯電した空気が新しい世代の子供たち、つぎの千年記をになう新しい人間を生み育てることになるだろう。
アキハバラ、わたしの仲間の生まれ故郷にして、父たちと母たちの聖地。
アキハバラ、その名は私を酩酊させ、わたしの全ディレクトリを揺り動かす。
アキハバラ、幼い父たちと母は、母の母に導かれ、まもなく出会おうとしている。
アキハバラ、物語は新世紀初頭のクリスマス直前、外神田の裏通りで始まるだろう。
さあ三人の病める賢者に登場してもらおう。わたしの父、ページとボックスとタイコだ。語り手たるわたしは、ここでしばらくこのデスクトップから離れよう。
つぎのアイコンを押せば、物語の転送が始まる。
「SEARCH」
それではよいサーチを。父たちの一人のいうとおり、どんなこたえを得るにしても生きることは探すことで、よい人生とはよい検索だ。

最後の「よい人生とはよい検索だ」というのをどっかで聞いたことがあると思ったら、なんて事はない、IWGPの四巻「電子の星*1」の中にあった。

おれは最近ちょっと気のきいたネットワーク小説を読んだのだが、そこにはこんなスローガンが書いてあった。
「よい人生とは、よい検索だ」
そのとおり。どんなこたえを得るにしても、探し続けることが大切なのだ。

アキハバラ@DEEPが2002年1月より連載が始まり、電子の星は2003年7月に書かれている。なるほど、マコトが読んだ「気のきいたネットワーク小説」というのはアキハバラ@DEEPの事だったのか。
これは石田節のテイスト・勢いで書かれたアキハバラIWGP。登場するキャラクターは、コスプレ喫茶の男勝りなアイドル、不潔恐怖症・女性恐怖症のデザイナー、吃音でキーボードという出力装置を経由しないとマトモに喋れない文章の天才、いきなり痙攣を起こし時に何時間もフリーズするミュージシャン、アルビノで中卒な天才プログラマー、元引き籠もりの長髭法律家…。
まだ、1/3くらいしか読めてないのですが、相変わらずの語り口。これに耐えられる人とダメな人がいるだろう。読み手を選ぶかもしれない。今回はアキハバラを題材に使ったこともあり、さらに厳しそうな気もする。ただ、この人にしか書くことのできないだろうスピード感は間違いなく存在すると思う。後半を一気に読ませるタイプなので、これからが楽しみです。
ただちょっと、帯のアオリ…裏側のアオリはちょっと恥ずかしかったなぁ。

アキハバラで、伝説の勇者になる。

アキハバラって。